近年はAIツールの進化が目覚ましく「デザイン・レイアウトに活かせるAIツールは何があるの?」「どんな場面で役立つの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?そこで、この記事では実際の使用感も交えて、デザインやレイアウトに活用できるAIツールを詳しく紹介します。デザインのクオリティアップや業務の効率化を目指すデザイナーは、ぜひ参考にしてください。まずはAIの基本を理解デザインに使えるAIツールとは何かを理解するには、AIの基本情報を知ることが大切です。ここでは、「ジェネレーティブモデル」「ニューラルネットワーク」「大規模言語モデル(LLM)」という3つのキーワードを通じて、その仕組みを簡単に解説します。ジェネレーティブモデル (Generative Models)ジェネレーティブモデルは、AIがデータを学習し、類似した新しいデータを生成する技術です。これにより、大量のデータを用意せずとも、AIが元のデータの特徴を自ら学び取り、オリジナルに近いコンテンツを生み出せることが特徴です。特に注目されるのが、このモデルを活用した画像生成AIツールです。膨大な画像データを学習し、テキスト入力から新しい画像を作り出すことが可能です。この技術にはニューラルネットワークが活用されており、データ内のパターンや関連性を理解することが重要です。なお、ジェネレーティブモデルは画像生成に限らず、テキスト生成や翻訳、要約といった多様なタスクにも応用されています。これらの応用例を総称してジェネレーティブAIと呼び、IT業界ではその商業的な可能性に大きな期待が寄せられています。ニューラルネットワーク(Neural Networks)ニューラルネットワークは、AI技術の中核を担う仕組みのひとつで、人間の脳内にある神経細胞(ニューロン)の働きを模倣したアルゴリズムです。この技術は、機械学習の分野で広く利用されており、AIが複雑なデータを処理する際の基盤として機能しています。このモデルは、多数の人工ニューロンを組み合わせて構築されており、データ処理を通じてパターンを学習します。この技術の進歩により、Appleの写真アプリやGoogleフォトなど、写真を自動分類するサービスが実現しました。さらに、ニューラルネットワークは、自然言語処理や音声認識、生成AIモデルの基盤としても活用されており、AI技術全般の進化を支える重要な要素となっています。大規模言語モデル(LLM)大規模言語モデル(LLM)は、自然言語処理(NLP)の分野で発展した深層学習モデルで、膨大なテキストデータを学習し、人間のような自然な文章生成や理解を目的としています。ニューラルネットワークを基盤に、データ内のパターンを抽出・学習し、文脈や言語構造を把握することで、流暢で論理的な文章生成を可能にしたことが特徴です。LLMの代表例として、Googleの「PaLM」やOpenAIの「ChatGPT」、Metaの「Llama」などが挙げられます。これらのモデルは数十億ものデータを活用し、文章生成だけでなく質問応答や要約など幅広いタスクに対応できることが特徴です。【シーン別】デザイン・レイアウトに使えるAIツール12選デザイン・レイアウトの作成を効率化するAIツールは日々進化しています。ここでは、特に注目されているAIツールを以下のシーン別で紹介します。UIデザイン・プロトタイプ作成UIデザイン・プロトタイプの作成時に効率的かつ直感的にデザインを形にできる、幅広いAIツールが登場しています。Uizard(ウィザード)Uizardは、AIを活用したUIデザインツールで、デザイン経験がない人でも手軽に美しいインターフェースを作成できます。リアルタイムでの共同作業が可能で、異なる職種のメンバーが効率的に作業を進められる点が魅力です。実際にUizardを使ってみて最初に驚いたのは、直感的な操作性の高さです。シンプルな指示からデザインをすぐに具現化してくれるスピード感は圧倒的でした。特に、プロンプトに基づいてランディングページをデザインする際、配色や要素配置をAIが自動で最適化してくれるため、作業負担が大幅に軽減できる印象です。Galileo AI(ガリレオ・エーアイ)Galileo AIは、UIデザインやWebデザインを効率的に自動生成できるツールです。特に、Text to UI機能では、テキスト入力だけで直感的にUIデザインを作成できます。また、Image to UI機能を活用すれば、画像をもとにデザインを自動生成できることも特徴です。Galileo AIを使ってみて、プロンプトに基づいたデザイン生成の速さと精度に驚きました。たとえば、ナチュラルで温かい雰囲気のカフェのランディングページを指定すると、外観画像・新メニュー紹介・予約ボタンといった指示通りの構成を忠実に再現しました。また、Figmaとの連携やコード出力機能もあり、プロジェクトの次工程への移行がスムーズな印象です。特に迅速なアイデア出しや試作に最適なツールだと感じました。その他のAIツールほかにもUIデザイン・プロトタイプ作成に役立つAIツールは以下のようなものがあります。ぜひ参考にしてみてください。ツール名特徴Figma AI(フィグマ・エーアイ)テキスト入力によるデザイン作成や、ワンクリックでプロトタイプを迅速に作成できるVisily(ビジリー)手書きスケッチやスクリーンショット、テンプレートからワイヤーフレームやプロトタイプを簡単に作成できるSTUDIO AI(スタジオ・エーアイ)デザイナーやWeb開発者が効率的かつ迅速にウェブサイトを制作できるよう設計されたAI活用のWebデザインツールグラフィックデザイングラフィックデザインツールは、AIを活用した画像生成やロゴ制作、テンプレート活用で効率的に美しいデザインを作成できます。Canva AI(キャンバ・エーアイ)Canva AIは、オンラインデザインツール「Canva」に搭載された画像生成機能「Magic Media」を活用したサービスです。メニューから簡単に利用でき、プロンプト入力で画像を生成できます。日本語入力にも対応しており、英語が苦手な人にも使いやすい設計が特徴です。Canva AIを使って「未来の技術革新、AIの活用、医療の進化」などのプロンプトを入力すると、短時間で洗練されたデザインが完成しました。プロンプトのキーワードに合った要素や配色を自動で提案してくれるため、視覚的にまとまりのある仕上がりに驚きました。さらに、テンプレートやカスタマイズオプションが充実しているので、細部の調整も簡単に行える印象です。Designs.ai(デザインズ・エーアイ)Designs.aiは、AI技術を活用した統合型デザインプラットフォームで、ロゴ制作や動画生成、ボイスオーバーの作成まで幅広い機能を提供しています。テキストから簡単にビデオや音声を作成でき、テンプレートを活用してデザインの制作を効率化することが可能です。Designs.aiを使って実際にロゴを作成してみました。会社名や業種、ロゴのスタイルを入力すると、短時間で複数のデザイン案が生成されます。さらに、スローガンや好みの色、アイコンを設定することで、より目的に合ったロゴを作ることができました。初めての利用でも分かりやすい操作性があり、クオリティの高いロゴを短時間で作成できるのが大きな魅力だと感じました。その他のAIツールグラフィックデザインの作成に重宝するAIツールは、ほかにも以下のようなものがあります。グラフィックデザイン作成時の参考にしてみてください。ツール名特徴Adobe Sensei(アドビ・センセイ)AIと機械学習を活用し、画像検索やタグ付け、顔認識による画像加工など幅広い支援を行うAI技術Fronty(フロンティー)デザイン画像をアップロードすると、AIが自動的にHTMLコードに変換してくれるKhroma(クロマ)好みの色を学習して、自分に最適なカラーパレットを無限に生成できる画像・動画作成画像や動画の制作に特化したAIツールは、リアルなビジュアルや高品質なコンテンツを効率的に作成できるのが魅力です。広告やプレゼン、オリジナルコンテンツの制作など、初心者からプロまで幅広い用途で活用できるでしょう。Visual Electric(ビジュアル・エレクトリック)Visual Electricは、デザイナー向けに設計された画像生成AIツールで、驚くほどリアルな写真を作成できる点が特徴です。また、同ツールの「inspo」では、ユーザーが作成したプロンプトが公開されており、どのように指示を出せば目的に合った出力が得られるかを参考にできます。公開されているフィードを眺めるだけで最新のトレンドや配色、レイアウトのアイデアを得るのに活用できるでしょう。Visual Electricを使って実際に画像を生成したところ、プロンプトのイメージに近い驚くほどリアルな画像に仕上がりました。特に、背景のニュートラルな色合いや細部の質感、人物のアクセサリーまでプロンプトに忠実で、現実の写真と見間違うレベルの完成度です。高度な画像が短時間で作成できるため、広告やプレゼン資料など、多様なタスクで即戦力になる印象です。特にビジュアル面での説得力を重視する人におすすめです。Runway(ランウェイ)Runwayは、AIを活用した動画編集・生成ツールで、スマートフォンやブラウザから手軽に利用できます。テキストや画像から動画を生成できるほか、生成された動画や画像、音楽データも簡単に編集可能です。実際にRunwayで動画を生成したところ、わずかな時間でリアルな動きと自然な背景が組み合わさった短い動画が完成しました。生成された動画はプロンプトの内容を細部まで忠実に描写しており、実際に撮影した動画に近いクオリティで生成できました。画像から動画へ簡単に変換できるため、初心者でもアイデアをすぐに具現化できることが魅力といえるでしょう。その他のAIツール上記のほかにも画像・動画作成に役立つAIツールは、以下のようなものがあります。用途や目的にあったツールを選んでみてください。ツール名特徴Midjourney(ミッドジャーニー)テキスト入力だけでイメージに沿った画像を生成できるAIプログラムで、単語や文章からの画像作成が可能DALL-E 3(ダリ・スリー)OpenAIが提供するツールで、チャット形式で画像のイメージを入力するだけで高品質なイラストを生成できるPika(ピカ)Text to VideoやImage to Videoなどの機能を備えたWeb上で利用できる動画生成AIプラットフォームPictory.AI(ピクトリー・エーアイ)テキストからプロ品質の映像と音楽を数クリックで作成でき、リアルなAI音声と映像を簡単に組み合わせられるサービス文章作成・ライティング文章作成やライティングに特化したAIツールは、記事作成やキャッチコピーの生成、ブログ運営の効率化に大きく貢献できることが特徴です。Claude 3.5 Sonnet(クロード サンテンゴ ソネット)Claude 3.5 Sonnetは、Anthropic社が開発した生成AI「Claude」の最新モデルとして注目されています。その特徴のひとつが、新機能「Artifacts(アーティファクト)」。この機能により、対話形式での文章生成だけでなく、視覚的なコンテンツのリアルタイム生成が可能になりました。さらに、生成されたコンテンツをその場で編集できる柔軟性も兼ね備えています。実際にこのツールを使ってAIツール管理用のWebアプリを生成したところ、HTML/CSSやJavaScriptのみを用いたシンプルかつ実用的なアプリが即座に完成しました。ブラウザ上で動作確認ができるため、修正や改良が直感的に進められるのも大きな魅力です。さらに、Claude 3.5 Sonnetは、キャッチコピーやネーミングなどを考えるクリエイティブな場面で真価を発揮する印象です。対話を重ねながら、さまざまな文章表現が提案されるプロセスは、第三者と一緒に作業を進めているかのような感覚でした。日本語の微妙なニュアンスや文脈を理解し、自然で洗練された表現を生み出す能力は、広告やマーケティング、コンテンツ制作などのクリエイティブ分野で大きな可能性を秘めています。クリエイターの発想を引き出しながら、効率的に魅力的なコンテンツを生み出す頼れる存在といえるでしょう。その他のAIツール文章作成やライティングに活用できるAIツールは、ほかにも以下のようなものがあります。ぜひ、参考にしてみてください。ツール名特徴Jasper(ジャスパー)テンプレートを選んでポイントを入力するだけで、ブログやSNS、広告向けの文章を25か国以上の言語で生成できるツールEmma Tools (エマ・ツールズ)コンテンツ品質を数値化し、初心者でもSEOに適した高品質な文章を簡単に作成できるSEOライティング支援ツールRakurin(ラクリン)キーワード提案・タイトル作成・見出し作成・本文作成など、ブログ記事制作に必要な機能を豊富に搭載したAIライティングツール文字起こし文字起こしツールは、音声や動画を効率的にテキスト化できます。特に会議やインタビュー内容の記録、議事録・字幕作成など、幅広い用途で活躍します。tldv(ティーエルディーブイ)「tl;dv」は、ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなど、主要なWeb会議ツールに対応した文字起こしと議事録作成を支援する生成AIツールです。会議の録音データから自動で文字起こしを行い、正確な議事録を短時間で作成できます。tl;dvを実際に使用してみた際に驚いたのは、「Ask tl;dv AI」機能です。プロンプト入力欄に質問内容を記載してクリックするだけで、AIが会議内容をもとに回答を出力してくれます。膨大な会議・議事録のデータから特定の情報を素早く引き出す際に非常に役立つ印象でした。たとえば、「次回の締め切りはいつですか?」や「主要な決定事項は何でしたか?」といった具体的な質問を入力するだけで、AIが的確に要点を抽出して回答を提示してくれるため、会議内容を一から見返す必要がなくなります。時間短縮だけでなく、効率的に情報を整理し、迅速に次のアクションに移れるという大きなメリットを感じました。その他のAIツールほかにも、会議や商談内容の文字起こしに活用できるAIツールは、以下のようなものがあります。ツール名特徴文字起こしさんAIによる高精度な文字起こしが1時間25円で利用可能で、画像・音声・動画に対応し、最大10分の無料お試し利用が可能RIMOvoice(リモボイス)日本語に特化したAIエンジンを搭載し、文脈を考慮して自然で正確な文字起こしを短時間で行える議事録ツールtoruno(トルノ)オンライン会議の会話、音声、画面を記録し、自動で文字起こしを提供するクラウドサービスWITH TEAM AI(ウィズチームAI)音声ファイルをアップロードするだけのシンプルな操作で、迅速にテキスト化が完了するAIツールデスクトップリサーチ・アイディエーションデスクトップリサーチやアイディエーションに特化したAIツールは、リアルタイムでの共同作業や直感的な操作性が特徴のものもあり、チームで効率的な情報収集やアイデアの整理を行うときに重宝します。ChatGPT(チャットジーピーティー)ChatGPTは、高度なAI技術を活用したチャットサービスで、人間のように自然な会話でやり取りできることが特徴。2024年には新モデル「GPT-4o」が登場し、MacOS用デスクトップアプリもリリースされました。ChatGPTを使い、「2024年のデザイン業界のトレンド」について調査を依頼したところ、わずか数秒で、色彩トレンド・スタイルの傾向・AIの活用など幅広いテーマを網羅した表形式のデータを生成できました。自身でファクトチェックすることが不可欠ですが、具体的な出典も提示されており、情報を効率的に得られる印象。特に複雑なテーマを簡潔に整理して出力できる点が便利です。デザイン関連のリサーチやトレンド分析をスピーディに行いたいクリエイターは、ぜひ活用してみてください。Miro AI(ミロ・エーアイ)Miro AIは、オンラインホワイトボード「Miro」に搭載されたAI機能で、アイディア出しやリサーチを効率化できます。特に、リアルタイムでの共同作業をスムーズに行える点が特徴で、チーム全体の生産性向上に大きく貢献するでしょう。Miro AIを使い、「製品概要ブレインストーミング」のテンプレートを試しました。アイデアの整理が驚くほど効率的で、対象グループや解決策までの必要情報が一か所で確認できる点が便利です。特に大量の付箋を短時間で要約し、AIによるグルーピングで主要なポイントを瞬時に把握できるのが魅力的でした。プロジェクトの計画やチームの認識合わせがスムーズに進み、生産性の向上に貢献できるといえるでしょう。その他のAIツールデスクトップリサーチ・アイディエーションを効率化したい人は、以下のAIツールも試してみてください。ツール名特徴Strap AI(ストラップ・エーアイ)会議や業務改善、新規開発などの業務を1つのオンラインホワイトボードで完結できる統合型ツールWhimsical AI(ウィムジカル・エーアイ)マインドマップやフローチャートなどを作成し、思考を加速させる機能を備えたコラボレーションハブツールです。プレゼン資料作成プレゼン資料作成ツールは、短時間で美しいスライドを自動生成でき、効率的な資料作成が可能です。初心者でも直感的に操作でき、さまざまな形式でエクスポートできるので、幅広いビジネスシーンで活用できるでしょう。Gamma(ガンマ)Gammaは、文章のタイトルを入力するだけでプレゼン資料やWebページを自動生成するオンラインツールです。特別なアプリやプログラムのインストールが不要で、Webブラウザ上で簡単に利用できます。Gammaを使い、ユーザー調査に関するスライドを作成しました。タイトルを入力して「Generate」を選択するだけで、AIが短時間で構成やデザインを自動生成してくれました。右側のツールを使えば、画像の追加や内容修正も直感的に操作できます。作成した資料はWeb共有やPDF、PowerPoint形式でエクスポートでき、多用途に対応できる印象でした。SlidesGPT(スライドジーピーティー)SlidesGPTは、入力したテーマや内容に基づいてプレゼンテーションスライドを自動生成するオンラインツールです。特定のソフトウェアのインストールは不要で、PowerPoint・Google Slide・PDFなどの形式でダウンロードできる点が特徴です。SlidesGPTを使い、ユーザーフィードバックの重要性に関するスライドを作成しました。テーマを入力し数分待つだけで、スライド構成が自動生成され、内容の叩き台として非常に便利な印象です。生成されたスライドには台本もついており、さらに修正を加えることで完成度を高められます。テーマや色を選択する簡単な設定で、直感的に利用できるため、業務効率の改善に役立つツールだと感じました。その他のAIツールプレゼン資料の作成に役立つツールとして、以下のようなツールも注目を集めています。ツール名特徴Microsoft 365 Copilot(マイクロソフト・サンロクゴ・コパイロット)WordやExcel、PowerPointなどMicrosoft製品をサポートし、要約や自動スライド作成機能が備わった生成AIGemini for Google Workspace(ジェミニ・フォー・グーグル・ワークスペース)Google Workspaceのアプリケーションで利用可能なAIサービスで、スライド作成やメール作成などを効率化できるSlidesAI(スライドエーアイ)日本語テキストを入力するだけでAIがスライドを自動生成し、写真もスライドに合ったものを提案する便利なツールAIの活用で効率アップを実現しようこの記事では、レイアウト・デザインの作成に活用できるAIツールを紹介しました。デザインの質を高め、コスト削減や業務効率化を実現するためには、効果的にAIツールを活用することが重要です。BlurBraでは、創業期のスタートアップや成長期の中小ベンチャー企業を対象にブランディングデザインを提供しています。弊社では、独自のAIシステムを駆使して、競争力のあるブランド構築をサポートしています。ブランディングデザインにご興味のある方は、ぜひBlurBraまでお問い合わせください。